建設業申請・許認可申請でお困りのかたへ / 許認可の手続き
建設業申請・許認可申請でお困りのかたへ /
許認可の手続き ポイント解説
起業する(新たな業務を開始する)、もしくは事業規模を拡大するにあたって、許認可が必要となるケースがあります。
みなさん良くご存じのところでいえば、たばこやお酒の販売ですね。
たばこや酒類を扱うコンビニエンスストアは増えていますが、すべてのコンビニで販売しているわけではありません。それは、販売するにあたって許認可が必要となるからです。
ここでは、よくご相談いただく許認可申請についてご説明します。
1. 建設業許可申請
建設事業で500万円以上の工事を請け負う場合は、都道府県知事または国土交通大臣の許可が必要です。
[ 建設業許可が不要な工事 ]
建築一式工事 | 工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事 ただし、木造住宅工事の場合は1,500万円未満または延べ面積が150平方メートル未満の工事 |
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建築一式以外の工事 | 工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事 |
建設業許可を申請するためには、一定期間以上の建設業管理責任者としての経験があることなどが条件となり、数ある許認可申請の中でも取得が難しい許認可のひとつだといわれています。
そういった背景からも、建設業許可の有無は信用に繋がり、また、本格的な建築工事や市町村等への入札参加資格を得るためには不可欠なものです。
[ 建設業許可申請の手順 (長野県知事許可の例) ]
建設業許可を受けるための要件の確認 |
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すべて満たしている必要あり |
建設業許可申請書および添付書類の作成 |
営業所の所在地を管轄する建設事務所総務課へ申請 |
窓口審査 |
受付 |
審査(約45日) |
不備があった場合はさらに長い期間を要する |
許可通知書送付 |
長野県作成の『建設業許可の手引』は144ページの本章に加え、34ページにわたる参考資料が添付されており、許可申請に必要な書類は30種類を超えます。
これらを読み、理解し、書類を用意するだけで相当の時間と労力を要する上に、不備が見つかるたびにやり直しとなり、何度も申請に足を運ぶのが常です。
通常業務を行いながらの準備が難しく、多くのケースでは専門家へ許認可申請を依頼しています。
2. 宅建業許可申請
『宅建』と呼ばれる資格はご存知の方も多いと思います。
年齢や学歴などの受験制限がなく、誰でも取得を目指せるとして人気の国家資格で、正式には『宅地建物取引主任者』といいます。
[ 宅建業許可の範囲 ]
- 宅地または建物の売買
- 宅地または建物の交換
- 宅地または建物の売買、交換または貸借の代理
- 宅地または建物の売買、交換または貸借の媒介
宅建業許可を取得するためには、宅建業法で定める数の専任宅地建物取引主任者を設置する義務があるだけでなく、事務所の形態や使用人についての基準をクリアする必要があります。
宅地建物取引業(以下宅建業)を営む場合は、都道府県知事または国土交通大臣の許可が必要です。
[ 宅建業許可申請の手順 (長野県知事許可の例) ]
宅建業許可を受けるための要件の確認 |
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すべての欠格要件に該当しない必要あり |
宅建業許可申請書および添付書類の作成 |
事務所の所在地を管轄する地方事務所建築課へ申請 |
不備がある場合は補正完了後の受理となる |
審査(30~45日) |
営業保証金の供託 もしくは 保証協会への加入 |
3か月以内にどちらかの措置が必要 |
届出書類等の提出 |
供託済届出書または供託済証明書(コピー)を地方事務所に提出 |
免許証交付 |
営業開始 |
宅建業許可申請は法人でも個人でも可能です。
ただし、欠格要件には事務所についての記載があるため、専用の事務所がなく、自宅の一部を事務所として利用する場合は、免許取得が難しいといわれています。
3. 産業廃棄物許可申請
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃油や廃プラスチック類等、政令で定められたものを指します。
爆発物や毒性のある廃棄物をイメージしがちですが、食品製造業において原料として使用した不要物なども産業廃棄物であり、わたしたちの身近なものとしては“おから”も、豆腐製造業者の産業廃棄物にあたるとされています。
産業廃棄物法において、産業廃棄物処理業には以下のような分類があります。
[ 産業廃棄物処理業の分類 ]
最近では、建設業や製造業において、産業廃棄物収集運搬許可を取得するケースが多くなっています。
積み替え・保管を含む許可を受けた場合は、小型トラックで収集したものを大型トラックに積み直したり、一定量になるまで特定の場所で保管しておいたりできるので、効率的な運搬が可能になります。
[ 産廃収集運搬業許可申請の手順 (積替保管施設なしの例) ]
産業廃棄物収集運搬業許可を受けるための基準の確認 |
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産業廃棄物収集運搬業許可申請書および添付書類の作成 |
事務所の所在地を管轄する地方事務所環境課へ申請 |
審査(約40日) |
許可証交付 |
産業廃棄物収集運搬業許可は、産業廃棄物処理業の中では比較的取得しやすい許可ですが、以下のいずれかに該当する場合は、長期的財務計画書を添付するとともに、公認会計士または中小企業診断士による診断書が必要となります。
[ 財務計画書と診断書が必要となるケース ]
- 次期への繰越損失がある
- 3年間の平均経常損益が赤字かつ直前の経常損益が赤字
- 債務超過
取得しやすいとはいえ、ほかの許認可と同様に、申請に必要な書類が多数ありますので、専門家に依頼するケースが多いようです。
4. 古物商許可申請
リサイクルショップや古着屋の利用が一般的となり、また、個人でもオークション等を利用して中古品を売買するケースが増えています。
古物を販売する場合には、古物商の営業許可が必要なことは比較的有名ですが、どういた場合に必要なのかを正しく理解している人は、意外と少ないようです。
古物とは、一度消費者の手に渡ったものが手放され、再び売りに出されている品のことで、新古と呼ばれる未使用の品も含まれます。
[ 古物商の許可の要・不要の参考例 ]
- 古物商許可が必要なケース
- 古物を買い取って売る
古物を買い取って修理して売る
古物を買い取ってバラし、使える部品を売る
古物を別のものと交換する
古物を買い取ってレンタルする
転売目的で買ったものを売る
国内で買った古物を国外に輸出して売る
古物の売買をネットで行う
- 古物商許可が不要なケース
- 自分の物を売る
合わなかった自分の物を未使用のまま売る
自分の物をオークションに出品する
無償でもらったものを売る
持ち主から手数料を取って回収したものを売る
自分が売った相手から売ったものを買い戻す
自分が海外で買ってきたものを売る
オークション等で自分の物を売ったり、知人の代行で販売して手数料をもらったりという場合は、古物商の許可は必要ありません。
古物商の許可が必要となるのは、主に、利益を得るために古物を買い取って売る・交換する・レンタルする場合です。
[ 古物商許可申請の手順 ]
古物商許可を受けるための基準の確認 |
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古物商許可申請書および添付書類の作成 |
事務所の所在地を管轄する警察署へ申請 |
審査(約30~40日) |
許可証交付 |
古物商の許可を取り開業した後でも、変更事項(申請書など提出した書類に記載された事項のほぼすべて)に該当した場合、届出が必要となります。
これらの届出を怠ると、営業停止や許可の取り消しなどを受けてしまう恐れがあります。事業経営上の法令を遵守しましょう。
許認可申請のポイントについてご案内いたしましたが、ご不明な点・ご相談等がございましたら、お気軽に吉澤会計事務所までお問い合わせください。
税理士法人吉澤会計事務所
長野県松本市蟻ケ崎1-3-6
TEL 0263-32-6064
info@yoshizawakaikei.com
1. 建設業許可申請
2. 宅建業許可申請
3. 産業廃棄物許可申請
4. 古物商許可申請
では、ひとつずつ解説していきましょう。