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起業を検討されているかたへ / 給与の計算方法

先生! 聞いてください! 今日、はじめて給料明細をチェックしたのですが、約束と違います!!
約束と違う? それは大問題ですね。何が違っているのですか? (しかし入社して半年経ってはじめてチェックしたとは……)
よくわからないモノがいろいろ引かれていて、少なくなっています! 見てください、ほら!
あぁ、これは社会保険や雇用保険、税金の控除ですね。 個人が納めるべき保険や税金を給料から預かって、 会社負担分と合わせて、会社が納付しているのですよ。
ハローワークの賃金欄に書いてある最低額よりも、 口座に振り込まれる給料が少ないというのが、普通なのですか? 給料に関することは友達にも聞きづらくて……よくわかりません。
確かに、なかなか聞けない問題かもしれませんね。 給料計算の基本は知っておいた方がいいでしょう。 吉澤会計事務所は給料計算業務の代行サービスも行っていますからね。
いずれは代行サービスも担当できるようになりたいです。 先生、その給料計算の基本というものを教えてください!
では、以下の4つのポイントで、給料計算を勉強してみましょう。
1. 給料明細の項目と手取り額
2. 法律に基づく計算ルール
3. 役員報酬の決め方
4. 従業員給与の決め方

では、ひとつずつ解説していきましょう。

起業を検討されているかたへ / 給与の計算方法 ポイント解説

1. 給料明細の項目と手取り額

サラリーマン経験者の場合、一度は給与明細を見た経験があるでしょう。
給料から何やらいろいろマイナスされて、実際に口座に振り込まれる金額は少なくなっていると把握しつつ、それがどういう計算に基づいて行われているのかを理解していない人は、意外に多いものです。

個人事業主においても、従業員を雇って給与を支給する場合は、給与明細書や賃金台帳の作成が必要です。
まずは給与明細を見ながら、一般的な項目を確認しましょう。

給与明細は、以下の4つの部分から成り立っています。

1. 基本部分
従業員の氏名や所属部署をはじめ、何月分の給与か、支給日はいつなのか、支給する会社はどこなのかという基本的な項目。

2. 勤怠部分
労働日数や休暇取得日数、時間外労働時間数などの勤務データに関する項目。

3. 支給部分
基本給、各種手当、交通費などの項目ごとの支給金額に関する項目。

4. 控除部分
社会保険料や雇用保険料、源泉所得税、住民税など、事業主が従業員の負担分を給与から天引きして納付する場合の負担額と、社宅利用費など給与から控除するものの金額に関する項目。


支給部分から控除部分を引いたものが、いわゆる手取り額です。
保険料や税金の個人負担分があるため、手取り額は提示された給与額よりも少なくなります。

2. 法律に基づく計算ルール

給与計算をする際には、法律に定められたルールがあります。
時間給に勤務時間数を乗算してした場合などに端数が発生するケースがあります。切り捨てたり、切り上げたりしたいところですが、法律で定められたルールに従う必要があり、会社や担当者の都合で決めることはできません。

[ 割増賃金計算における端数処理 ]

発生項目 端数の詳細 処理方法
1か月の労働時間数 時間外、休日、深夜労働の各々の時間の合計に1時間未満の端数が生じた場合 30分未満の端数を切り捨てて、それ以上を1時間に切り上げる
1時間当たりの
賃金額
(月給制・日給制の場合)
1時間当たりの賃金額に1円未満の端数が生じた場合 50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる
1時間当たりの
割増賃金額
1時間当たりの割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合
1か月当たりの
割増賃金総額
1か月における時間外、休日、深夜労働の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合

[ 1か月の賃金支払額における端数処理 ]

発生項目 端数の詳細 処理方法
1か月の賃金支払額
(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額)
1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額)に100円未満の端数が生じた場合 50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げる
1か月の賃金支払額に1000円未満の端数が生じた場合 1000円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越す

金額のほかに、時間の端数処理も質問をいただくことが多いです。
時間の計算は15分単位として、10分の遅刻の場合は15分遅れたものとして計算する、といったケースです。
労働基準法第24条で『賃金の全額払い』が定められており、たとえ寝坊など、従業員の個人的な都合で遅刻した場合でも、上記のような処理は認められません。
しかし、就業規則に減給の制裁を記載しておくことで、処理可能です。

こういった法律上のルールのほか、社会保険や雇用保険の料率が変更されるといった改正法には素早く対処する必要があります。
ミスや法律違反を防ぐためにも、専門家へアドバイスを求めたり、給与計算業務を依頼したりといった選択肢があります。

3. 役員報酬の決め方

支給額から控除額を引いて支払うのが給与だということはわかりましたが、その支給額は、いくらが妥当なのでしょう?
まず、役員報酬額についての考え方を説明します。
役員報酬額は、従業員の給与とは異なるルールが法人税法により定められており、金額を決める上で把握しておかなければいけない定めとして、以下のものがあります。

毎月の同額の支給を、原則としては1年間払い続けること。
変更できるタイミングが決まっていること。

増額・減額ができないわけではありません。ただし、増減した部分の金額については、法人税の申告書では経費として認められません。
これにより法人税額が増えると同時に、役員個人の所得税や住民税額も増えることとなってしまいます。

変更のタイミングは、期首から3か月以内の定期株主総会、もしくは業績が著しく悪化した場合の減額改定のみです。

このようなことから、役員報酬は法人と個人のバランスを考えて設定するのがおすすめです。税金だけでなく、社会保険料の負担も会社・個人ともに増えることを頭に入れておかなければなりません。
適切な役員報酬額を決めためには、事業計画を立て、利益をできるだけ正確に予測する必要があります。
専門家によるシミュレーションを利用するのもよいでしょう。

4. 従業員給与の決め方

役員報酬だけでなく、従業員の給与も悩むところです。
給与は従業員にとって仕事へのモチベーションにも影響する大切なもの。労働に見合う給与でないと従業員が感じた場合、定着率の低下や業績悪化につながる恐れがあります。

しかし、中小企業の給与の相場はわかりにくいものです。
誰もが閲覧できるデータとして提示されているのはほとんどが大企業のもので、そのままで利用できるものはありません。
様々な考え方があり、様々な決め方があります。
公正な賃金制度制定のために、また、社員教育の一環として、従業員参加型で行う企業もあります。
大切なのは、どのような方法で決定するではなく、経営者と従業員の双方が合意し、納得できることです。個人面談など、経営者と経営者の間で話し合う機会を持ち、合意を得て進めるようにしましょう。

給与計算のポイントについてご案内いたしましたが、ご不明な点・ご相談等がございましたら、お気軽に吉澤会計事務所までお問い合わせください。

税理士法人吉澤会計事務所
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